学校とか親からはずーっと「嫌なことからはどこに行っても逃れられないんだから、それに耐えられる人間になれ」というような教育を受けてきた。
馬鹿なことに私はそれを間に受けてたんだよ。どんな嫌な人間とも上手くやっていくべき、嫌な環境にも適応すべき、って。その上「女とはこうあるべき」という呪いも全部まともに受け止めて、なりたくないものになり、やりたくないことを全力でやってきた。そうして出来たのは奴隷メンタルの自尊心激低女だよ。
自分のことを自分で全く分かってなかったせいで、本当に辛い思いをしてきた。本当は嫌だと思ってるのに、笑顔ですいません、気をつけますね!なんて言ったりしてさ。
それと、リアルではあまり言いにくいけど私はマルチタスクが相当に得意な方だ。その上追い込まれるほど俄然やる気になってさらに能力を発揮してしまうタイプなのだ。このタイプでメンタルが奴隷だなんて、搾取する側にとっては理想的だよな(笑)。自分でもなんで理想的な奴隷だったんだろうと思うよ。
しかし私はすごくすごく苦しくなって、何でこんなに苦しいんだろう、どいつもこいつも大嫌い、憎い!という状態になってから、自分が心の底で思ってることに気がついた。
明らかに私よりも能力が低いのに偉そうに指図する奴はなんなんだ?
何で私はこんな奴より自分を下に見ていたんだ?
嫌なことにも耐えて頑張れば相手も変わるとなぜか思い込んでたけど、ますます増長するばかりじゃないか?
私は本当はこいつらの事を心底バカだと軽蔑してるのに何で好かれようとなんてしていたんだ?
色んな気持ちがバーーっと出てきた。こういうのって一度出てきてしまったらもう止まらないんだ。
嫌なことにも耐えられる人間になれ、なんて大嘘だよ。嫌な人間とも上手く付き合えるようになれ、も大嘘だ。嫌なことなんて何一つ、断固としてやる必要はないんだ(その嫌なこと、の定義には気をつけなければいけないが)。
世の中に出て散々苦労してから気づくんだ。「自分を大事にしている人間は見切りをつけるのがめちゃくちゃ早い」って。自分は本当に馬鹿だったよな、大嘘をまともに信じちゃってさ。
そんなこんなを乗り越えて出来上がった今の私のルールはこうだ。
・能力があろうが態度が悪い奴はみんなロクでなし、付き合う必要なし
・言葉選びがダメなだけで中身はちゃんと良い人もいるが、言葉選びがダメなところは確実にマイナスであることを忘れない
・たとえ仕事や勉強に関する能力が優れていなくても人間的に優れている人には敬意を払うべし
・フィーリングで合わない、と感じた人間とは付き合わない
・嫌な奴がまともな人間に変わるのは物語の中だけ、誠意のあるまともな人は初めからそうである
・相手がどんなに素晴らしく尊敬出来る人でも「自分はそれよりも下の人間だ」とは絶対に考えない
逆説的だが、嫌な奴を「こいつ大っ嫌い」と遠慮なく心で感じていると、不思議とそいつがどうでもいい存在に思えてくる。取るに足らない目に見えないレベルのゴミみたいなもんだって感じる。
嫌な人間とも上手く付き合えるってのは、実はこういうことかもな。人は目に見えないゴミをわざわざ意識することなんてないのだから。